ゲノム編集ベイビー

NHGRIによるCRISPR/Cas9のイメージ図(ライセンスはパブリック・ドメイン
BMI手術が人間に与える脅威を防ぐ方法をchatGPTに質問しました。回答は当たり前の倫理規範を設計しなければならないでした。同じように人間に脅威を与えかねないゲノム編集技術の人への応用について調べてみました。
2018年、中国人科学者の賀建奎(He Jiankui)氏が、遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」を使用してヒト受精卵に遺伝子操作を施し、世界で初めて遺伝子編集された双子の赤ちゃんを生み出した。以下その後の経過です。
2018年11月:賀建奎(He Jiankui)氏が遺伝子編集された双子の赤ちゃんを生み出す。
2019年11月には賀氏が行方不明になったと報道あり。(刑務所に服役)
2022年春に出所
 2023年2月:中国政府が、生物学や医学研究における倫理的行動に関する新たなガイドラインを発表
果たしてロシアや中国のような言論統制を敷く国家のガイドラインは信用できるのでしょうか?NHK_TVの「科学は誘惑する」ではないですが、科学技術の進歩は誰もとどめることはできません。また、人間の考える安全対策には必ず穴が存在します。それが、チェルノブイリ原発事故であり福島の原発事故、フェイク画像、フェイク動画ではないでしょうか?

 

イーロンマスク氏のBMIデバイス

イーロンマスク氏のBMIバイス装着の自動手術ロボット(CC BY 2.0)

シェアした記事はwikipediaのニューラリンク社です。

ニューラリンク - Wikipedia

今はやりのgptCHATでBMIについて質問してみました。以下はその質問

イーロン・マスク氏のニューラリンク社は人間にBMIのデバイスを埋め込む手術を今年中に行おうとしているそうです。将来はAIとLINKすることも可能とされています。健康な人がこの手術を受けた場合、超脳力を獲得することになりますが、ヒトラーのような人間がこの能力を持った場合は恐ろしいことになります。このことを防ぐ方法を教えてください。AIに判断を任せるとSFに描かれるAIが支配する世界になるのではないでしょうか?」
以下は回答文です。文章がおかしい点はありますが意味は分かります。
BMIのデバイスが人間の超脳力を向上させる可能性がある交渉、それが悪用されることも排除されます。人類が面するリスクについて考える必要があります。
 人間にとって有益な技術であることを確認すること、手術が人間の自由意志を認めないことを確認すること、個人のプライバシーやセキュリティを確保することなどが必要です。
次に、人間の超脳力を悪用されるリスクを軽減する方法を考えることが必要です。 例えば、BMIのデバイスを使用する前に、個人的な背景調査や人間性の評価を行うことができますまた、AIとリンクすることを制限することもできます。 AIとの接続があっても、人間が常に制御を持ち、倫理的規範に則って行動することができるようになるように設計するが必要です。
最後に、AIが支配する世界になることを防ぐ方法としては、AIの設計に倫理的規範を取り入れ、そのAIが人間の価値観に基づいた行動を取るようにすることが必要です。 AIの制御や監視のための接続を確立することも必要です。
総じて言えることは、新しい技術が導入される際には、その技術が倫理的に問題がないこと、悪用される可能性がある場合にはそのリスクを減らすための対策が導入されることが重要であるということです。」

閉鎖環境実験施設:バイオスフィア2

熱帯雨林温室(左)、居住棟(中)、日周気圧調整ドーム(右)
上のライセンスはCreative Commons Attribution-Share Alike 3.0
以下のシェアした記事はwikipediaのバイオスフィア2です。

 

バイオスフィア2は、アメリカのアリゾナ州で1991年から2年6か月(1回目は1991年から1993年、2回目1994年4月から1994年10月)に渡って行われた閉鎖環境実験施設です。閉鎖環境施設には将来、人間が地球以外の惑星で暮らす時を想定し、そのデータを集めることを意図し、巨大な温室のようなガラス建造物の内部に,外界と隔離して熱帯雨林,サバナ,サンゴ礁のある小海洋,砂漠,マングローブの湿地という5つの生態系と,農地,人間の居住地がつくられました。男女  8人の研究者が自給自足の生活をし,閉鎖空間での物質の循環,農業の可能性,人間の行動などについて調査されました。閉鎖環境はミニで、細部が地球とは異なるため、持ち込んだ種が死滅し、ゴキブリ、あさがおの大増殖が発生したそうです。次のYouTube動画は、実験に参加者のTED動画です。
私は、当時、科学朝日でこの実験施設の記事を見た記憶があります。記事では、事故で外部に出た被験者がいたり、酸素不足を解消するために酸素を供給したこで閉鎖環境が守れなくなり、実験の意義がなくなってしまったと辛口の批評をしていたと記憶しています。しかし、被験者達は、酸素不足、栄養失調悩まされながらも全員2年の実験期間を全うしたとのことです。私は、この実験の最大の教訓は、我々の地球が微妙なバランスの上に成り立ち、ほんの些細なことでアンバランスになり、被験者たちが体験した過酷な環境になりうるということだと思います。全世界が地球環境のことをもっと考えるべきだと思います。

朝日新聞社の2021年7月の記事と私が不十分と考える点

次の記事は、朝日新聞社の石倉記者の2021年7月の記事です。

ABC予想「証明に疑問点」指摘も 出版後も割れる評価:朝日新聞デジタル (asahi.com)

シェアした朝日新聞社石倉記者の記事は、2021年の7月の記事で論文がジャーナルに掲載された4か月後のもの。ABC予想を提唱したジョゼフ・オステルレ仏ソルボンヌ大名誉教授は「重要な論文が望月氏に近い雑誌で審査されたのは驚きだ」とのコメントを記載している。しかし、東京工大の加藤文元教授の2019年に発行された「宇宙と宇宙をつなぐ数学」(KADOKAWA)のP82には「1960年代前半では(主に、仏で活躍したグロタンディークによって)スキーム論やエタール・コホモロジーの理論といった新しい理論が勃興しましたが、論文の投稿先としては、もっぱら「フランス高等科学院紀要(Publ.IHES)」だった。」と記載し、「自分が関わるジャーナルに投稿することは決して珍しいことではないと言っている。」(たまたま査読できるレフェリーがいるところが「望月氏に近い雑誌」だけだったのである。)また、「フィールズ賞受賞者のピーター・ショルツ独ボン大教授も「証明の疑問点は明らかなのに出版された論文でも解消できていない。納得できる説明をしてほしい」などと述べた。」と石倉記者の記事では述べている。私は、ショルツとスティックスが挙げた反例の事を言っていると思うが、この反例についても加藤教授は自身の次のtwitterで反論している。
「望月教授はすでに2018年7月と2019年1月に望月新一教授が上の反例は、IUT理論の前提にいくつかの簡略化がおこなわれ、それらが誤りであるとして、ショルツェとスティックスが公開したそれぞれのレポートに、彼の理論の誤解を指摘するレポートを公開した。また、(ショルツが)昨年の9月に回答することなく一方的にこの件から離脱しました。その意味では回答をしていないのはショルツとスティックス側であり、望月さん側はきちんと回答をしています。」
 以上の2点で、石倉記者の記事は不十分だと思っています。

宇宙際タイヒミューラー理論

私のFacebookでも取り上げたNHKスペシャルで放映された「数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(前後編)」(以下Nスぺ)に登場する京大数理研望月新一教授(以下、単に望月教授)は、自身の以下のblogでNスペを名誉棄損とまで批判している。

2022年4月のNHKスペシャルに対する「合格発表」: 前半はぎりぎり合格、後半は不合格 | 新一の「心の一票」 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

宇宙際タイヒミューラー理論が発表された時からの時間経緯を次のwikipediaに従って追っていくことにしよう。

宇宙際タイヒミュラー理論 - Wikipedia

2012年8月 京大数理研望月新一教授(以下、単に望月教授)が数理研のHP上で宇宙際タイヒミューラー理論(以下、単にIUT)を発表

公開後にまもなくイヴァン・フェセンコにより論文が取り上げられたが、望月の新たな数学的手法と言語により「査読に時間がかかるだろう」と報じられた。

2018年3月 ペーター・ショルツェとジェイコブ・スティックスが京都大学を訪れ、望月と星裕一郎は彼らと5日間議論したが、Nスぺでも取り上げているように議論は平行線で終わった。

2018年5月と9月 ショルツェとスティックスは、論文IUTT-IIIの系3.12の論理過程で反例があるとレポートで主張した。

2018年7月と2019年1月 望月教授が上の反例は、IUT理論の前提にいくつかの簡略化がおこなわれ、それらが誤りであるとして、ショルツェとスティックスが公開したそれぞれのレポートに、彼の理論の誤解を指摘するレポートを公開した。

2020年2月 論文は査読を通過

2020年4月、PRIMS(京大数理研が発行する論文誌)特別編集委員会の記者会見で、共同編集委員の玉川安騎男教授は「内容に懐疑的な海外の数学者もごく少数いるが、反論は出尽くしており、今後も平行線のままではないか」とコメントした。

特別編集委員会全体として「望月教授自身が反論もしており、(ショルツェ教授からの)再反論もない」とコメントした。

2021年3月 PRIMSに論文掲載

2021年7月 ショルツェは「このシリーズの最初の3つのパートにおいて、読者は残念ながら実質的な数学的内容をほんの少ししか見出さないだろう。第2部と第3部では、肝心の系3.12に、数行以上の証明を見出さないだろう」と否定的にコメントした。

2022年9月 望月教授がIUT理論の論理展開について詳しく解説する論文を公開した。同論文で、理論の論理構造が論理的なAND “∧”であるが、OR “∨”に取り違える簡略化による誤りが生じる、と主張した。

また、望月教授のblogにもAND “∧”であるが、OR “∨”に取り違えについても2022年1月に言及している。

宇宙際タイヒミューラー理論(IUTeich)の論文を巡る現状報告: 「数学界に出現している悲惨なブラックホールの物語」 | 新一の「心の一票」 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

私は数学などやったことがなくIUTが正しいかどうかの判断はできかねるが、ただNスぺの取り上げ方は、望月教授の批判が当たっているように思った。

「AはAであって、同時に非Aでもある」という、自己矛盾していそうな、不思議な謎めいた考え方が望月の理論の基本となっていて、それが海外の研究者には受け入れ難い考え方であるという解説です。

同じものを同じものと見做すか、それとも違うものと見做すか」という話は、恐らく通常の数学用語で表現すると、「同型なもの(=つまり、同一の'設計図'に​基づく内部構造を有するもの)を、​同一視​するか、それとも区別するか」​というような記述の、(Nスぺは)一般人向けの翻訳のつもりでしょうが、同型なものを同一視することも、区別することも、(20世紀​初頭に遡る)公理的集合論によって当たり前に記述できる​考え方であり、つまり古くから純粋数学全般で広く知れ渡っている当たり前な考え方であり、決して私が最近になって導入した考え方ではありません。」また、「宇宙際タイヒミューラー理論では、球面の「A」と「B」を勝手に区別したり、同一視したりして整合性のない議論を展開していると誤解する人もいますが、そのようなことは一切ありません。むしろ、​不思議な形で繋がった状態の「A」と「B」を(同一視せずに)区別したまま、大きな入れ物の中に埋め込んで、その入れ物の幾何を調べることによって「A」と「B」の間の距離は、実はそれほど大きくなく、不等式で上から抑えることができることを、「遠アーベル幾何学」と呼ばれる数論幾何学の一分野による手法を用いて示します。」と言っています。正確なところはわかりませんが、加藤文元教授のビデオの携帯電話通信の喩えを用いることで「遠アーベル幾何学」において数学的対象の対称性からその対象の内部構造を復元する仕組みについて解説することもできたはずです。」このような取り上げ方をNスぺが何故しなかったのでしょうか?

茂木健一郎さん:(101) #ABC予想 についての #NHKスヘシャル に対する #望月新一 さんの批判を読んで考える - YouTube

私も、茂木さんの指摘のようにNスぺには数学の専門家が必要なように思った。

無料でGPUが使えるクラウドサービスでの囲碁AI

私は、最近、囲碁AIのKataGoにはまっています。囲碁AIは、2016年にアルファ碁が当時の世界のトップ棋士の一人、イ・セドル九段に4勝1敗で勝利し、翌年の2017年に、アルファ碁の進化版のアルファゼロが、当時の世界ランキング一位のカ・ケツ九段や、日本の井山裕太九段を相手に60連勝無敗という成績を残しました。このころから、deep learning(深層学習)という言葉を耳にするようになったと思います。
その後も囲碁AIはますます、強くなり、色々な名前の囲碁AIが登場しています。KataGoもその一つで、トッププロの柳時熏9段が2子で3連敗した碁をYouTubeにアップしています。
↓1回目の決着編

↓2回目

↓3回目
正確に言うとKataGoは推論エンジンです。(この他にGUIが必要です。)
一般にAIは計算量が大きく、CPUでは計算時間がかかってしまうので、並列計算ができるGPUを使うのが普通です。GPUが使えるPCを購入すると20~30万円ほど必要になりますが、私は、Google Colabという無料でGPUが使えるクラウドサービスを使用しています。私は当初、次のURLのGUIを使用していました。
エンジン2にGoogle Colabの情報を入力して使用していました。しかし、私は弱いので、置き碁をよくしますが、置き碁では、下図のように黒の置石がないバグがあります。5子の置き碁棋譜を読み込ませたのですが、左下隅の4の4に黒2と打っています。本来なら、ここは黒の置石があるところで、打てないはずです。

「Lizzie」での置き碁の例
そこで、GUIとして次のURLの「改良版Lizzie」を使っています。
上で紹介されている「改良版Lizzie」をインストールし、エンジン4にGoogle Colabの情報を入力し私の置き碁棋譜をコメント入力しながら検討しています。
これで、柳時熏9段が2子で3連敗しているKataGoの環境が手に入ったと思っているのですが、細部の環境設定で抜けがあるかもわかりません。(今までのところ、置石がなくなる不具合は発生していません。)

Google Colobaでディープラーニング(松尾先生のsection1)

Google Colobaでは無料でGPUが使えるということで、使ってみた。(と言っても、サンプルコードの矢印を押して実行しただけです。)ディープラーニングの言語はTensorsflow。Google Colobaは前回のRをサポートしていない。

以下は手書き数字MNISTのサイト

http://yann.lecun.com/exdb/mnist/

 

f:id:Bravo-Astrox:20201007170143j:plain

手書き数字の例

 白黒画像28X28ピクセルで、ピクセルの値は0~255、60,000例のトレーニングセットと10,000例のテストセット、機械学習の様々な手法で認識を行った場合のエラー率の比較もある。もっとも良いのが35回の委員会 ネット、1-20-P-40-P-150-10 [弾性歪み]の0.23%。最も悪いのが線形分類器(1層NN)12.0%

上の手書き数字のデータを次のサイトに従って実行した。

【環境構築不要・スマホ/タブレットOK】東大松尾研のDeep Learningエンジニア育成講座『DL4US』を自習する

https://qiita.com/tomo_makes/items/f4d69f2aa3c407891d64

Lesson1のSection1にあるMNISTの手書き数字を認識させる例題をLesson1のsection4にある少し違ったモデルで実行し、損失値と正解率で性能を比較してみた。

結果は次の通り。

        Test loss       Test accuracy

Original   2.3015334606170654   0.11349999904632568 

section4   0.1890578716993332     0.9495000243186951

正解率は11.3%と95.0%と大きく違っている。モデルの違いは次の通り。大きな違いは、各層の出力の個数と活性化関数、最適化アルゴリズムの差異、Dropoutの採用である。

以下は、オリジナルのモデル

model = Sequential()

model.add(Dense(units=256, input_shape=(784,)))

model.add(Activation('relu'))

model.add(Dense(units=100))

model.add(Activation('relu'))

model.add(Dense(units=10))

model.add(Activation('softmax'))

model.compile(loss='categorical_crossentropy',optimizer='sgd', metrics=['accuracy'])

以下は、section4のモデル

model0 = Sequential()

model0.add(Dense(512,input_shape=(784,),activation='relu',kernel_initializer='he_normal'))

model0.add(Dense(256, activation='relu', kernel_initializer='he_normal'))

model0.add(Dense(128, activation='relu', kernel_initializer='he_normal'))

model0.add(Dropout(0.3))

model0.add(Dense(64, activation='relu', kernel_initializer='he_normal'))

model0.add(Dense(32, activation='relu', kernel_initializer='he_normal'))

model0.add(Dense(10, activation='softmax'))

model0.compile(loss='categorical_crossentropy',optimizer='adam',metrics=['accuracy'])

松尾先生のサイトでは、section7までのipbynbファイルがダウンロード可能で、今後、逐次実行してみる予定。